「… 敦盛」
「重衡様、いかがなさった」
敦盛は少し目をうるませ返事をした。
「重衡様がこの様な夜にいらっしゃるならば…何か有ったのでしょう」
「敦盛…泣いていたのか」
「えっ!?」
図星だと言わぬばかりに敦盛は反応した。
それも、明日の戦があるからだろう…重衡はそう感じた。
「敦盛…戦が怖いか?」
敦盛は下を向きながら答えた。
「…いいえ」
「ならばなぜ泣いていた?」
少し間を置くと、
「戦が怖いのでは有りません、…貴方が、貴方がいなくなったらと考えるのが怖いのです」
重衡は泣き出した敦盛を抱きとめた。
「…私を、思ってくれたのか?」
こくこくと頷く敦盛を強く抱き締めると重衡はそっと敦盛の笛を渡した。
「…私は、貴方の笛が好きだ。…そして、貴方自身も。どうかその笛を吹いて私に勇気をくれ」
敦盛はきょとんとして、
「私を…好き…?重衡様が…?」
「…えぇ…大好きだから…だからお互い最期まで一緒にいたい」
「…分かりました…」
そして月夜は明けた。
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中途半端になってしまった…。続きいつか書きます。